第8回 地上権
約束の時間のきっかり5分前に、あなたの行政書士法務事務所のドアが
開いて由紀恵が現れた。
補助者として働かせて欲しい。とのことだった。このような電話はよく
あるのだが、あなたはいつも断っていた。
由紀恵にも同じ対応をしたのだが、彼女はその後このようなことを言った。
自分は6月から勉強を始めた。11月の試験まで働きたい。その間に自分
の仕事を考え、2月の合格発表後、すぐに事務所を開きたい。
5ヶ月で試験に合格するということ、仕事を覚えるではなく、考える、と
言ったことにあなたは興味を持ち、面接をしてみることにした。
元高校教師だったという由紀恵は美しく、冷静さと情熱を秘めた瞳をして
いた。由紀恵なら荒れたクラスでも立て直せそうな気がした。
「6月から勉強を始めて、合格できるかな。全部で5ヶ月ほどしかないが。」
「資格の取得は頭、ではなく、やり方の良し悪しで決まると思います。」
「やり方?勉強の?」
「はい。民法はだいぶ仕上がってきました。」
・・・1ヶ月で行政書士試験の民法を仕上げた?本当だろうか。あなたは少し
意地悪な気持ちになった。
「じゃあ、簡単な問題を出してもいいかな。別にわからなくてもいいから。」
「はい。」
「土壌のよい土地があった。みんなで使っていたのだが、独占したいと思った
僕は、所有者と耕作のための地上権を設定することにしたが、可能だろうか。」
できる、できないから書き出し、その後に理由を書くこと。
全体で40字程度で記述せよ。
下にある解答を見る前に、答えを書いてみることをお勧めします。
地上権 行政書士試験 40字記述式問題
解答例
できない。地上権とは他人の土地において工作物又は竹木を所有するため
の権利だから。(40字)(民260条)
解説
工作物、竹木、所有、この3つのキーワードを落とさないようにしてくだ
さい。工作目的の場合は永小作権になります。
地上権、という名前ですが、空中に電線をひくために、地下にトンネルを
掘るためにも設定できますので注意しましょう。