第12回 抵当権
あなたの行政書士法務事務所に男が入ってきた。一目見て様子が変だな、
と感じた。うつろな目だった。
「借金の相談をしたいんだが・・・」
「はい。30分5千円になりますけど・・・」
由紀恵が応対した。後払い可、着手金などのシステムは説明できなかった。
「ゴ、5千円!ふざけるな!借金を帳消しにする方法を聞きに来てるんだ!
そういう人間の話を聞くだけで5千円!何様のつもりだ!!ええっ!!」
「どうせ話が終わったら、着手金がいくら、成功報酬がいくらと言うんだろ
うが!おまえら弱者の味方じゃないのか!もういい!!」
男は帰った。30分5千円。コンビニのバイトに比べりゃ高いか。確かにな。
強者、弱者。幸運、不運。借りたものは返す。サラ金。多重債務・・・
はっきり大きく示した利息。知りながら借り、返せない。自己破産、特定調停
過払い請求・・・契約の意味、約束の意義・・・法律の使い道・・・
「先生、代価弁済ってなんでしたっけ?」
由紀恵がこんな基本を知らないはずがない。黙り込んだあなたを見て、空気を
変えようとしているのだろう。頭がいい。改めて思う。
「ん。抵当権が消滅するんだ。どういう時かというと・・・」
代価弁済で抵当権が消滅するのは、抵当不動産について、誰がどのように、何
をしたときか。40字程度で記述せよ。
下にある解答を見る前に、答えを書いてみることをお勧めします。
抵当権 行政書士試験 40字記述式問題
解答例
所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じ代価を
弁済したとき。(39字)(民378条参照)
解説
地上権を落とさないでください。抵当権者の請求に応じ、というのも
ポイントですね。
第三取得者から抵当権を消滅させる制度もありましたね。379条以下
もチェックしておいてください。