第20回 事務管理
あなたの行政書士法務事務所。昼食を済ませたあと、補助者として働く
由紀恵は勉強を始めた。行政法のテキストに目を落とす横顔が美しい。
5ヶ月で行政書士試験に合格するために、1ヶ月で民法を仕上げたという
由紀恵の勉強する姿に、あなたはさりげなく注目していた。
目立つのは六法を引く回数の多さだ。テキストを読んでは条文を読み、
問題を解いては条文を読んでいる。正解だった。
すべてではないが、不合格になる受験生の多くに共通することがある。
条文の読み込みが足りないのだ。
理由は単純だ。めんどくさいのである。読んでいるテキストから手を
離し、六法のページをめくり、テキストに戻る。これを嫌がる。
どう考えても、不合格になってもう一年勉強するほうがめんどくさい
のだが、やらない。問題のほとんどが条文から作られているのに・・・
急に由紀恵が顔を上げた。
「この間復習をしていたら、事務管理の理解度が低いことに気がつき
ました。いまひとつ、わかりにくい論点ですね。」
「そういう時はたいてい、制度の趣旨や要件を記憶してないことが多い
んだ。事務管理の成立要件をすぐに答えられる?」
「ええと、確か、他人の事務を管理すること、法律上の義務がないこと、
あとは・・・。本当ですね、基本を理解していないからですね。」
少しアドバイスするだけで、弱点に気づき、認め、理解し、改善する。
聡明という言葉がとても似合う由紀恵に、あなたはさらに惹かれてゆく。
事務管理が成立する要件として、他人の事務を管理すること、法律上の
義務がないこと、の他に何があるか。40字程度で記述せよ。
下にある解答を見る前に、答えを書いてみることをお勧めします。
事務管理 行政書士試験 40字記述式問題集
解答例
他人のためにする意思があること、本人の意思、利益に反することが
明らかでないこと。(40字)(697条参照)
解説
事務管理の効果も理解しなければいけません。不法行為が成立しない、
管理者の善管注意義務、本人の費用償還等の義務の発生など。