第21回 不当利得
あなたの行政書士法務事務所のドアが開いて男が入ってきた。
ん?・・・光岡選手だ!プロ野球の東京ガリバーズの!
「相談に乗ってほしいんですが・・・」
かなり疲れた声だった。坊主頭があまり似合っていない。
話はこうだ。
妻子のいる光岡だったが、好きな女ができ、その女とマンションを
買ってあげるかわりに愛人になる、という契約を交わしたらしい。
だが女は愛人になってはくれなかった。仕方なく与えたマンションを
返してくれと頼んだが、相手は謹慎していて、応じないとのこと。
「まだ何もしてないんです。お酒を飲んだだけなんです。これじゃ
詐欺ですよ。」
光岡は力なく笑い、おみやげにモナカをくれた。
「光岡さん、この場合、マンションを返してはもらえないと思います。
不法原因給付というのですが・・・」
光岡はあなたの説明に納得し、事務所を去った。一生懸命練習する、
という言葉に、うそはないように思えた。
民法708条に記された不法原因給付は、英米法のある原則のあらわれと
される。その原則の名前と、趣旨を40字程度で記述せよ。
下にある解答を見る前に、答えを書いてみることをお勧めします。
不当利得 行政書士試験 40字記述式問題
解答例
クリーンハンズの原則。反社会的な行為をした者は法の救済を
受けられないという原則。(40字)(708条参照)
解説
基礎法学をからめた基本問題。なんとなく知っているようで、40字
程度にまとめるのは難しかったのではないでしょうか。
不法な原因が受益者についてのみ存したときはこの限りでない。という
708条のただし書きを知らない人が多いので、ここで覚えましょう。